江戸時代(17世紀)になると、戦国の世が終わり、現世を楽しく生きようという考えが芽生えます。日常生活は画題となり、庶民も絵を買い求め、絵師たちは多彩な活動を始めたのです。何より絵の中の人物は活き活きとして明日へのエナジーに満ちています。本展では近世初期風俗画から浮世絵へという展開を、初公開の浮世絵も含め展観します。
【出品作品】
重要文化財「四条河原遊楽図屏風」江戸時代(17世紀)
喜多川歌麿「四美人やつし車引」(版画) 江戸時代(18世紀)
葛飾北斎「桜下美人図」(肉筆) 江戸時代(19世紀)
●岩﨑家のお雛さま
2021年2月20日(土)~ 3月28日(日)*会期を変更しました。
休館日:毎週月曜日
三菱第四代社長・岩﨑小彌太(1879~1945)が孝子夫人のために誂え贈った丸平大木人形店の雛人形。白くつややかな丸いお顔が愛らしい、幼児の姿に作られた内裏雛に是非会いに来てください。水仙や梅が花開く時節、春を愛でる絵画・工芸品なども合わせて展示します。
【出品作品】
五世大木平藏「岩﨑家雛人形」のうち内裏雛 昭和初期(20世紀)
重要文化財 野々村仁清「色絵吉野山図茶壺」江戸時代(17世紀)
●旅立ちの美術
2021年4月10日(土)~6月6日(日)
休館日:月曜日(ただし5月3日は開館)、5月6日(木)
静嘉堂は2022年、展示ギャラリーを丸の内の明治生命館へ移転します。本展は世田谷岡本で開催する最後の展覧会となります。1892年、神田駿河台に創設された静嘉堂は、高輪、そして現在の岡本へと移転し、1977年より所蔵する美術品の一般公開を行なってまいりました。本展では旅立ちをテーマに、出会いと別れ、そして人びとが目指した理想の地のイメージをさぐりつつ、静嘉堂のあゆみを振り返ります。
【出品作品】
老子、教えを授け西方へ去る
陳賢 「老子過関図」 明~清時代(17世紀)
表千家のパトロンから江戸へ旅立つ茶人へ贈られたはなむけの茶碗
長次郎 「黒樂茶碗 紙屋黒」 桃山時代(16世紀)
14歳のおたっちゃん、浄土への旅路
河鍋暁斎 「地獄極楽めぐり図」 明治2~5年(1869~72)